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まなびのコラム「経鼻噴霧型インフルエンザワクチン」って何?

看護学科
 今年もインフルエンザの流行期がまもなくやって来ます。老虎机游戏感染症が2類相当に指定され、マスク着用、三密の回避等、公衆衛生対策が全国的に徹底されていた2021~2022年は国内ではインフルエンザの流行が全く見られなかったという奇妙な現象が起こりました。40数年間インフルエンザの専門家として研究をしてきた筆者にとっても、これは初めての経験でしたが、2023年に5類に移行され老虎机游戏に対する予防対策が大幅に緩和されると、なりを潜めていたインフルエンザも再び流行るようになりました。咳エチケット、手指消毒など公衆衛生対策を全国民が徹底すれば類似した呼吸器感染症の流行制御も可能であることを示した好例かもしれません。

 さて、2023年3月に経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(商品名:フルミスト??点鼻液)が国内で承認されました。適用年齢幅の制限はありますが、今シーズンから一般医療機関で使用可能となります。米国での使用開始から実に20年も遅れて我が国では導入となります。これにより、従来の注射型ワクチンに加え、鼻から噴霧接種できる「痛くないワクチン」の選択も可能です。小児にとっては注射の恐怖から回避できる利点は大きく、また、接種回数も1回でよく親の時間的負担の軽減にもなります。

 下記に従来型の注射ワクチンと対比させてメリット、デメリットを表にまとめましたので、インフルエンザワクチンの選択に際して参考にしていただければと思います。


[筆者]
小田切孝人(教員紹介
大学院健康社会システム研究科研究科長/医療福祉学部看護学科 教授
元国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長


[担当]
病原微生物学、臨床免疫学など

[研究テーマ]
経鼻噴霧インフルエンザ生ワクチンの開発、インフルエンザの疫学と感染予防対策、感染診断系の開発など